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地方消費者行政拡充に向け、国に予算強化等を求める意見書の提出を求める陳情

02-14 地方消費者行政拡充に向け、国に予算強化等を求める意見書の提出を求める陳情

受理番号
02-14
受理年月日
令和2年10月12日
付託委員会
産業環境委員会
委員会付託日
令和2年10月20日
議決年月日
議決結果
審議未了
紹介議員

内容

 地方消費者行政拡充に向け、国に予算強化等を求める意見書の提出を求める陳情

【陳情の趣旨】
 消費生活行政は、消費者の権利擁護の観点から重要であり、消費者問題に適切に対応するには、相談にあたる職員数を確保し、相談員の専門性を向上することが不可欠である。
 また、国の補助、主催による定期的な研修機会の充実や、地方自治体の消費者行政(普及啓発事業、相談事業など)に対する補助の実施・増額、人員確保や相談体制強化のための予算上の措置など、国からの、地方消費者行政拡充のための補助は、きわめて重要である。
 以上について、貴議会から国に対し、自治法99条による意見書の提出をお願いしたく、陳情するものです。
【陳情の理由】
1.はじめに
 昨今、インターネットによる取引環境の発展を受け、いつでも遠隔地にいる人との商取引が可能になり、他方で、そうした電子商取引による消費者トラブルが増加している。また、新手の架空請求をはじめ、昨今個人情報の流出事案の発生が相次ぐなど、消費者をめぐる状況はめまぐるしく変容し、消費者行政への期待と役割は、日に日に大きくなっている。
 消費者行政の最前線は、それを担う各市町村や自治体である。消費者問題に対し、消費者の立場に立って相談を受け、事業者との間に立ち、国と連携しながら地域内の悪質事業者に対する行政処分等を行い、様々な問題を解決する上で、地方消費者行政の役割は重要で、消費者が真に安全で安心できる消費生活を送るために、地方消費者行政の充実は不可欠である。
 2008年に閣議決定された「消費者行政推進基本計画」においても、地方公共団体の消費生活相談窓口を全ての消費者が相談できる一元的な相談窓口と位置付け、全国ネットワークを構築することや、地方分権を基本としつつ、地方の消費者行政を抜本的に強化することが必要であるとされた。また、国は相当の財源確保に努めることとされ、PIO‐NET等を強化して国と地方の連携を強化することや、地方交付税上の措置等を検討することが示されている。
 消費生活センター等では、消費生活相談員が消費者から事業者に対する苦情や製品事故の苦情などの消費生活相談に応じ、助言を行っている(消費者安全法第8条1項第2号イ及びロ、同条第2項1号及び第2号)。また、消費者自身では対応困難な事案については、消費生活相談員が事業者と消費者のあっせんを行うことによりトラブルの解決を図っている。消費生活相談員の数を確保して水準を向上させることは、消費者の権利擁護のためには不可欠である。
2.消費生活センターの現況と課題
 そうした目で消費者庁発行の資料をみると、現在、消費者トラブルでニーズが増大しているにもかかわらず(2019年度の相談件数は934,944件と100万件近くある)、消費者行政担当職員について、平成30年4月1日現在、事務職員は5,209人(平成29年4月1日から46人減)、消費生活相談員は3,438人(同4人増)で、前年比ほぼ横ばいから減少で推移している。また、この5209人についても、その多くが消費者行政以外の業務との兼務で、消費者行政のウェイトがわずか10%程度という兼務職員が約半数を占めている。
 また、小規模自治体の相談体制がいまだ脆弱である事も指摘されている。
 消費生活相談員の採用形態を見ると、常勤職員はわずか数パーセントで、非常勤職員が7〜8割と大半を占め、待遇も十分とはいえない。消費者問題に関する専門知識や対応能力は、現場での経験で獲得されるところ、こうした不安定な待遇は、自治体のノウハウの積み上げにとって、ひいては住民にとって損失になってしまう。
 実際、地方消費者行政の活性化に向けての、消費者庁が都道府県へ行ったヒアリング結果(現場の声)をみると、「現状、多種多様で膨大な業務量となっている」「正職員は3〜5年程度で異動してしまうため、相談対応のノウハウや知識が蓄積されにくい体制にある。」「本来的には増員が望ましいが、現状維持すらままならない状況」「市町村においては、消費者行政と他の業務(環境・廃棄物・公園管理・産業振興等)を兼務している職員が大多数であり(中略)現状の人員では、プラスアルファの消費者行政の取組は困難」「処遇の改善が進んでいないことも、応募が少ない理由」「消費生活相談員の研修については、各省が持つ研修所のような機関が必要」などの切実な声が寄せられている。
 また、消費者からの相談に的確に対応するため、消費生活専門相談員、消費生活アドバイザー、消費生活コンサルタントなどの資格の保有は、相談の質を担保するものになりえるが、特に市町村において、相談員がこれらを保有していない割合もいまだ25%程度ある(自治体によって開きあり)。そして、先のヒアリング結果には、「職員の専門性を高める研修が圧倒的に不足している。国で人員・体制等の基準を作り、どの自治体でも確実に人員と体制が作られるように支援してほしい。」「相談員については、法律等の知識はもとより、実際の相談場面を意識した対応能力向上のための研修機会を充実させてほしい。」との声も寄せられている。
3.総括
 以上述べてきたように、消費生活相談は、消費者の権利擁護の観点から重要であるが、現在、ニーズが増大しているにもかかわらず、職員数や待遇など、まだ全体的には十分とはいえない現状にある。消費者からの相談に的確に対応するためには、相談員の相談対応能力、法知識など、専門性の向上も不可欠である。
 そのためには、国の補助、主催による定期的な研修機会の充実や、地方自治体の消費者行政(普及啓発事業、相談事業など)に対する補助の実施、人員確保や相談体制強化のための予算上の措置など、国からの、地方消費者行政拡充のための補助は、きわめて重要である。
 以上について、貴議会から国に対し、自治法99条による意見書の提出をお願いしたく、陳情するものです。


会議録

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