議員提出第16号 高齢者虐待防止に関する意見書
高齢化が世界有数の速さで進む我が国では、最近、介護が必要な高齢者を放置したり、家庭や施設内で高齢者に暴力をふるったりするなどの虐待が深刻化している。
しかしながら、高齢者への虐待は表面化しづらく、これまで家庭や施設内の問題として見過ごされてきており、児童虐待に比べ法整備などの対策も遅れているのが現状である。
昨年の医療経済研究機構による「家庭内における高齢者虐待に関する調査」の結果では、「生命に関わる危険な状態」に至る事例が1割という深刻な事態が浮き彫りになる一方、虐待に気付いた在宅介護支援の専門職の9割が、対応は困難と感じていることも明らかになった。
この結果からも、高齢者虐待の定義を明確にすることをはじめ、虐待防止と早期保護への具体的な仕組みづくりが急務であることが確認されたところである。
よって、足立区議会は国会及び政府に対し、高齢者の人権を守る体制を充実させ、虐待防止のための具体的な対策を実現するため、下記事項の早急な取り組みを強く求めるものである。
記