5 都立江北高校定時制の存続を求める意見書の提出を求める陳情
平成28年2月12日
【陳情趣旨】
「都立江北高校定時制を廃止せず存続することを求める意見書」を足立区議会として関係する東京都の機関に対し提出してください。
【陳情理由】
東京都教育委員会は昨年11月に発表した「都立高校改革推進計画・新実施計画(案)」の中で、足立区にある都立江北高校(西綾瀬4丁目)をはじめ都内の4つの夜間定時制高校の廃止計画を示しました。
都立江北高校定時制には現在、足立区内をはじめ、昼間働いている生徒や全日制に入れなかった生徒、高校を中退した生徒、高齢者や外国籍の生徒、夜間中学の卒業生など多くの生徒たちが学んでいます。これらの定時制高校が廃止されれば、夜間定時制に学ぶことを希望する人たちの行き場は失われます。都の計画では、「チャレンジスクールと昼夜間定時制による『3部制』を拡大することでカバーする」などとしていますが、明確に役割や性格が違うこれらの学校では、多様な課題や困難を抱えた生徒たちに個別で丁寧な対応をする夜間定時制を代替することはできません。
江北高校の定時制は開校して68年の歴史と伝統を持ち、山田洋次監督の映画「男はつらいよ」(第26話)の舞台となったこともあります。東武線や千代田線・常磐線、つくばエクスプレスの駅からも近く、今でも、昨年4月7日現在で1〜4年合わせて180人の在籍があるなど、高いニーズがあります。江北高校定時制を卒業された生徒の多くから「今の自分があるのは定時制があったから」「人生の原点」「心のふるさと」という声が寄せられ、そのことは定時制高校のかけがえのない役割を表しています。
かつては100校を超えていた定時制高校が、東京都が進めてきた統廃合計画により、現在では半分以下の44校まで減らされてきました。
憲法第26条は「すべての国民が等しく教育を受ける権利を保障する」としています。これ以上定時制高校を廃止することは、さまざまな要因によって全日制に入れない生徒たちの学ぶ権利を侵害することになりかねません。
以上の理由から、足立区議会として東京都の関係機関に対し、「都立江北高校定時制を廃止せず存続することを求める意見書」を提出されるよう陳情します。