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議案名

15 医療的ケア児や重症心身障害児とその家族に対する日常生活支援サービスの向上を求める陳情

受理日

令和元年9月10日

付託委員会

付託委員会
厚生委員会
付託日
令和元年9月25日

本会議議決結果

議決結果
審議未了

紹介議員

内容

【陳情の趣旨】
 昔なら死んでいた子どもたちが近年の医療の発達で呼吸器や胃ろうなどの医療の力を借りながら生きられるようになりました。私たちの子どもは医療的ケア児です。医療が発達して命は助かったけどその先の生活が成り立たない、これが現状です。
 退院と同時に殆どの母親たちは24時間、医療的ケアを伴う育児が始まり、仕事を辞めざるを得ません。医療的ケア児の父親たちも仕事に影響し転職など強いられることも発生しています。これ以外にも学校や外出など、たくさんの事を諦めて生活を送っています。また障がい児の親は孤立し、社会から孤独を感じ生活を送っています。この状況では「障がい児を産んだら人生終わり」となりかねません。そうならないために障がい児を産んでも選択肢のある生活を送れるよう、環境も整えることが急務であることは間違いありません。
 デイサービスや保育園にも通えない、制度の狭間にいる医療的ケア児がいます。知的にも体の動きにも障がいはなく、歩いたり食べたりできるが呼吸疾患で気管切開をしている児童が通える施設はありません。制度でこの子どもたちが通えるようになっていないからです。医療的ケアや障がいがあると受け入れられない公・私立保育園、幼稚園、児童発達支援のデイサービスでは、肢体不自由児対象で医療的ケアを行えない事業所、医療的ケアは行えても重症心身障害児が対象で知的に障がいのない子どもは受け入れられない事業所など、上記に挙げた動ける医療的ケア児は、これのどこにも当てはまらず、どこにも行けずに困っている現実があります。
 家庭の中では母親が24時間看病をしているのが現実です。育児をする母親たちは常に命を守るために、ぎりぎりの精神状態でいるので、その精神的負担、体力的負担はとても大きいです。また障がい児につきっきりになってしまうため、きょうだい児(障がいや病気をもった子の兄弟姉妹のこと)との関係づくりはとても難しく大切になってきます。
 足立区には現在、レスパイトのできる施設はなく、近くても北区の北療育医療センターか江東区の東部療育センターになりますが、どちらも近隣とは言えません。東京都自体そのような施設は足りず、どこも満床で何カ月も待って、やっと利用できる状態か、預けられても3〜4日程度です。これでは医療的ケア児を持つ家族は崩壊します。在宅レスパイト時間を増やす事や、短期入所のできる施設をつくって家族が休息したり、兄弟姉妹との時間を使えるような環境を整えてください。
 また、家族は右も左もわからずに制度の情報を得るのに苦労し、せっかく得た情報を利用することができないこともあります。先輩ママから制度のことや手当のこと、使えるサポートなどを教えてもらい区役所に問い合わせるも、間違った情報を伝えられたり、課がまたがっておりどこに問い合わせていいのかはっきりしないなど確実な情報を得るまでに時間を要しました。医療的ケア児に特化したチームを設立する自治体も出てきているようです。
 制度の改善については、身体障害者手帳は1、2歳になってからでないと取得できない子どもたちも多く、NICU退院時までに間に合わない子どもたちも多くいます。吸引機やパルスオキシメーター、呼吸器への助成が間に合わず、実費で購入になってしまうケースがあります。ですがこれらの機器は医療的ケア児にとっては必需品なので、この矛盾をなくすために身体障害者手帳がなくても医師の意見書で助成が受けられる、もしくは後から申請するとその分戻ってくるようになるなどの改善を要望します。
 医療機器も使用しますが体温調整ができない子どもも多く、暖房や冷房を24時間使用している日もあります。また湿度が体調にとても重要なため加湿器などの体調を保つための機器を沢山使用します。呼吸器、吸引器、加湿器、空気清浄機、エアコン、床暖房等を必ず使用するため、1カ月の電気代が3万円弱かかることもあります。室内の温度や湿度を維持することは子どもの命に係わることなので電気料金補助制度の創設を要望します。
 また、在宅での生活が始まり必要なのが災害対策です。大きな災害が起こることが予想される現在、災害への備えのなかで電源の確保は呼吸器や吸引器、パルスオキシメーターを常時使用する我が子たちの命に直接係わります。高価な発電装置やバッテリーは実費での購入は難しく、備えられずにいる家族も多いのが現状です。八王子市では都の医療保健政策区市町村包括補助事業を活用し、自家用発電装置の現物給付を行っており、江東区においても同様に現物給付を行っています。茨城県つくば市では2019年4月から自家用発電装置の購入補助制度が始まっています。
 つきましては、制度の創設や改善、区役所の体勢を改善し、クオリティ・オブ・ライフを維持できるよう、貴区議会に下記のとおり陳情いたします。
【陳情項目】
1.重症心身障害児だけでなく知的に障がいのない、動ける医療的ケア児をデイサービスでも受け入れられるように制度改正を要望します。
2.レスパイト、ショートステイのできる施設を増やすか、在宅レスパイト時間を増やしてください。
3.医療的ケア児、重症心身障害児に特化した専門の窓口をつくってください。
4.日常生活用具の給付申請を身体障害者手帳がなくても医師の意見書で申請できたり、購入後でも申請できるような制度の改善を、区から都や国に要望してください。
5.特別児童扶養手当受給者に対する水道料金の減免措置のように、呼吸器機能障害1級の身体障害者手帳を持っている方又は難病患者で呼吸器機能に障害がある方のうち、在宅で常時人工呼吸器を装着している方を対象に電気料金補助制度の創設を要望します。
6.災害時に必ず必要な自家用発電装置やバッテリーを呼吸器機能障害1級の身体障害者手帳を持っている方又は難病患者で呼吸器機能に障害がある方のうち、在宅で常時人工呼吸器を装着している方を対象に日常生活用具の給付対象に加えるか購入費補助制度を創設してください。

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