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議案名

3 子どもの心を育てる、情操豊かな音楽の街・足立区にする請願

受理日

令和7年5月27日

付託委員会

付託委員会
区民委員会
付託日
令和7年6月27日

本会議議決結果

議決結果
継続審査

紹介議員

長谷川 たかこ

内容

【請願の趣旨】
 我々人間は、常に音の中に生きています。人間の基本的感覚である聴覚を用いて繰り広げる人類の文化である音楽に触れることは、人間自身について知ることであり、人間にとって必要不可欠なことではないでしょうか。
 音楽は国を超えて全ての人達に、自己表現やコミュニケーションの重要な手段となり、自己実現の機会を増し、所属感や達成感をもたらし、生活に潤いや慰めを与えてくれます。また、音楽は、情動脳を活性化させ、自律神経の安定を図り、認知症の予防も含め音楽療法としてすでに確立されています。また、現在タブレットやスマートフォンをはじめとする電子機器を通した音に溢れ、生演奏に触れる機会が減っています。日本発声医学協会代表理事、野口千代子先生から、電子機器を通した音の波形はギザギザと尖ったもので脳細胞を傷つけ、楽器や声など自然に発せられた音の波形は滑らかで脳細胞の修復を図るため、全く別のものであると言われています。また、音楽療法は振動医学としてウィーンでは保健医療となっているほど、理論と共に活用されています。
 しばしば、音楽は、「音を楽しむもの」と言われることがあります。しかし、音楽はmusicの語源としてはMathematics「ic」を含む「学ぶ、理論」であり、「楽」は神に捧げる鈴から作られた象形文字で「楽しい」だけの存在ではありません。第一に、音楽には、感動、心が慰められ落ち着く、心が躍動する、など魂に訴える力があります。第二に、音楽は、人間の生きざまを表しています(労働歌、宗教音楽など)。そして、第三に、音楽は、美の追求をとおして、「人間とは何か」と問いかける芸術です。つまり、音楽によって人間は自分自身を見つめ、自分が生きていることを確かめることができ、人間を高めることができるのです。そして第四に、童謡は5音階で作られ、これは不安を生じさせる半音を用いないことで脳の発達に良いものです。そのため、健全な成長を促し、時に認知症予防や改善につながり老若男女の心身の安定につながり、共に楽しめるものになっています。
 このように音楽を捉えたとき、音楽が、教育基本法第1条に示されている教育の目的である「人格の完成を目指す」にも合致していると考えます。すなわち、音楽教育は、子どもたちの知力、社交性、感性の成長に重要な役割を果たすと考えられております。しかしながら、良質な音楽環境を子どもたちに提供するためには、行政と民間が連携した更なる取組が必要です。
【請願の理由】
 足立区には、東京藝術大学という素晴らしい音楽資源が存在しますし、多くの音楽愛好家も存在します。これらの方々が垣根なく「地域の音楽資源」として繋がり、それぞれの立場でWin-Winな活動をお互い支え合いながら協力していく事が重要と考えます。
 音楽の力は、子どもたちの心理的な成長を支援することにつながります。
 生演奏、歌などの音楽が足立区に溢れることで、区民全体への心身のケア、能動性につながるものと確信しております。さらに、「電子機器を通した音」に溢れる昨今だからこそ「生音」が溢れる街にすることが脳細胞を修復させ健全な成長に影響をもたらすことができます。
 この素晴らしい特性を持つ音楽を通して、足立区民の感性や人間性を向上させ、さらに住みよい足立区にすることは、足立区の未来を担う子どもたちのためにも有益であると考え、ここに請願するものです。
 幼少期から楽器や合唱、音楽鑑賞など、子ども達が多く音楽と触れ合い、楽器を演奏する機会をつくることは、その人の人生を豊かにします。音楽に触れ合い、親しむことが出来る環境を幼少期から構築することは、音楽を通じて、足立区民の感性や人間性を向上させ、さらには住みよい足立区にすることにつながります。
 豊かな音楽資源を背景に、音楽を中心とした芸術や文化の創造を通じて、活力ある地域社会の実現や新たな産業機会の創出による新しい都市イメージを創造することを目指して、区民・事業者・行政が協働して音楽のまちづくりを進めていくことを求めます。
【請願項目】
1.幼少期から音楽に親しめる環境として、東京藝術大学の学生や卒業生などに協力を仰ぎ、0歳児からのコンサートを区が主導して行うこと。
2.太鼓やヴァイオリン、ピアノ、合唱、ミュージカルなど、子ども指導のボランティアを募り、子ども達が日ごろから音楽活動に参画でき、音楽に触れ合える機会を多く与える機会を区が主導で構築していくこと。
3.音楽子どもオーディションを行い、幼少期・思春期・青年期の大切な時期に思い出の1ページを「一生心に残る感動体験」と銘打って、合格者には本格的な指導が得られる機会を区が主導で作ること。ジャンルは、ミュージカルやピアノやヴァイオリンなどの個別指導からオーケストラに参画できる体験型コンサート。
4.第十四中学校や伊興中学校、他、綾瀬小学校など公立小中学校で行っている定期演奏会の門戸を広く足立区民に周知し、誰でも気軽にその時々の演奏会を聴くことができる無料定期演奏会をオール足立で開催すること。
5.子ども達が育ってきたら、西新井ギャラクシティにある西新井文化ホールでの舞台提供や区のイベントでの舞台出演、広報で盛り上げるなど、演奏家を育てる機会を構築すること。
6.クラシック音楽祭、邦楽音楽祭、ポピュラー音楽祭等を実施し、足立区のオーディションを通過した演者は、区内の許可された場所で街頭演奏が行えるようにすること。
7.街角ピアノを区内の適当な場所(足立区の東西南北、中央の5か所)に設置し、区民が自由に演奏できるようにすること。
8.各種コンクール(クラシック、邦楽、ポピュラー等)を実施すること。
9.交響楽団等と契約を結び、西新井文化ホールや東京芸術センター天空劇場を多く活用した定期公演、イベントへの出演、区内学校での音楽鑑賞教室などの教育事業、児童・老人施設等の巡回公演などを区の施策として位置づけ、良質な音楽がいつでも鑑賞できる機会を実施すること。

 以上、これらの点に着眼点を置いた行政の支援施策の構築を強く求めます。

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