6 政党機関紙も庁内取締規則を守り、許可のない勧誘・配達・集金は認めないように足立区議会として足立区に改善することを求める陳情
令和7年6月12日
【陳情理由】
全国市区町村の庁舎内で、政党機関紙の勧誘(営業)・配達・集金が無許可で行われていることが問題となっており、その是正のために、地方議会81か所で庁舎内における勧誘・配達・集金の実態調査及び自粛を求める陳情が採択・趣旨採択されました。東京都では港区・目黒区・調布市・武蔵村山市・清瀬市・稲城市で採択され改善されております。
陳情採択などを受けて、実態調査が全国の数十自治体で行われておりますが、例えば、東京都港区の調査(令和6年11月実施)では、勧誘をうけた管理職が9割、そのうち心理的圧力を感じた管理職が8割にもなりました。また勧誘を受けた職員の7割が購読していました。自由意見でも「購読をやめたいが、言い出せない」との多くの声があがりました。庁舎内で政党機関紙勧誘に伴う「圧力」により、職員自身の意志に反した購読が横行していたのです。
港区では調査結果を踏まえて、3月議会で議員から区長に改善を求める質問があり、区長は職員をパワハラから守るために庁舎管理規則の見直しなど速やかな対応を図ることを答弁しました。
2020年6月にパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が施行され、地方公務員が保護の対象となりました。自治体として「パワハラ防止条例」を制定した事例も108にのぼります。
東京都議会3月議会において、政党機関紙勧誘に関する議員質問に対し、総務局長は「庁舎内における政党機関紙勧誘は禁止である」と明言しました。
同じく、足立区庁内取締規則第6条(庁内の使用及び立入の規制)では、庁内を使用しようとする者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、あらかじめ、庁内取締責任者の許可を受けなければならないとしており、庁内において、物品の販売、宣伝、勧誘その他これらに類する行為をしようとするときと定めている。政党機関紙も許可の必要な行為と考えますが、足立区に確認したところ、政党機関紙は許可の対象外としており、政党から許可の申請もなく、許可を受けている政党もありませんでした。
足立区議会においては、3月定例議会にパワハラから職員を守る東京都民の会が提出した「政党機関紙の庁舎内勧誘行為の実態調査を求める陳情」は、委員会には付託しないで会派に配布されました。また、政党機関紙の勧誘行為に伴う心理的圧力の有無に関する職員アンケートは実施されておりません。
そこで、早急な実態調査が行われなかったとしても、最低限、庁舎内の勧誘行為に関するルールは厳守していただきたいと思い、再度陳情を提出いたしました。一部政党が主張するように「政党機関紙の勧誘は憲法が保障する政治活動」というのは当然だとしても、一方で、庁舎内では無許可の営業行為は庁内取締規則で禁止されており、同様に、民間のマンションやアパートでも「営業目的の訪問・勧誘活動を禁止」している施設も少なくありません。こうした施設内での勧誘活動は、住民の信頼を損ねるものであり、政治モラルに反するものです。さらに多くの住民が利用する庁舎内では、職員の政治的な中立性が地方公務員法第36条「政治的行為の制限」で求められています。
議員の皆様は、庁舎管理上のルールに従い、場所をわきまえて政党機関紙勧誘活動を行っていただきたいと思います。以下の項目を足立区議会に求めます。
【陳情項目】
1.庁舎内において物品販売や勧誘等の行為をする場合は、庁内取締規則により、あらかじめ庁内取締責任者の許可を得る必要があり、政党機関紙の勧誘行為についても同様に許可が必要であることを明確にして、足立区議会から足立区に改善を求めてください。
2.足立区議会議員の皆様は、これまで許可を得ずとも勧誘行為をおこなってきた経緯があれば、今後は、政党機関紙を庁舎内で勧誘等をする場合、足立区庁内取締規則を厳守するように努めてください。
3.今後「政党機関紙の勧誘行為」について、足立区議会議員が許可申請をする場合は、政党機関紙の勧誘行為に伴う心理的圧力の有無に関する職員アンケートを実施し、許可の判断材料にするように足立区議会から足立区に求めてください。
【下記添付資料省略】
(添付資料1)庁舎内の政党機関紙勧誘の調査・自粛等を求めた陳情を採択した議会(81自治体)
(添付資料2)都内自治体の職員アンケートの結果事例