区民等の受動喫煙被害を誘発している、禁煙特定区域内の喫煙所の廃止などを求める陳情
19-6 区民等の受動喫煙被害を誘発している、禁煙特定区域内の喫煙所の廃止などを求める陳情
- 受理番号
- 19-6
- 受理年月日
- 平成19年6月12日
- 付託委員会
- 区民委員会
- 委員会付託日
- 平成19年6月28日
- 議決年月日
- 平成19年7月10日
- 議決結果
- 不採択起立なし
- 紹介議員
内容
区民等の受動喫煙被害を誘発している、禁煙特定区域内の喫煙所の廃止などを求める陳情【陳情の趣旨】
１．北千住駅周辺の禁煙特定区域内に設置された２ヶ所の喫煙所（以下、単に「喫煙所」と記します）を、すべて廃止してください。
２．「足立区歩行喫煙防止及びまちをきれいにする条例」（以下「本条例」と記します）の第10条第２項から「ただし、区長が指定した場所においては、この限りでない。」の文言を、第14条第２項から「（区長が指定した場所において喫煙をした者は除く。）」の文言をそれぞれ削除する、本条例の改正を行ってください。
【陳情の理由】
2006年10月１日に施行された本条例に関連して、北千住駅周辺に禁煙特定区域が設けられ、合せて喫煙所が設置されました。
この喫煙所は、東口では駅入り口の横、西口では駅前広場のペデストリアンデッキに上がるエレベーター乗り場の隣と、いずれも駅周辺で特に人通りの多い場所を選んで設置されています。しかも、その構造はいずれも、開放空間に灰皿を設置しただけのものです。
このため、喫煙所の周辺を通行する多くの区民等が、喫煙所から流れてくるたばこ煙によって、受動喫煙に起因する健康被害を強要されるという問題を誘発しています。
以前、私は、この疑問に基づき「健康増進法第25条に違反している、禁煙特定区域内の喫煙所の撤去などを求める陳情」を区議会に提出しました。
この陳情が審査された、2006年11月６日の区議会区民環境委員会の席で、本条例を所管する区民部の区民課長は、要旨「健康増進法第25条では、受動喫煙の定義の部分に『室内又はこれに準ずる環境において』という文言が含まれている。今回問題とされている喫煙所は屋外に設置したものなので、この条文には違反しない」と答弁していました。
その一方で区民課長は、この委員会での答弁に係る私からの質問状（添付資料①）に対する回答書（添付資料②）では「（指定喫煙場所の）周囲には植栽等を設置して一般の通行とは隔地しており、受動喫煙の防止に配慮した」と、屋外公共空間での受動喫煙防止の必要性について、区民環境委員会での答弁と矛盾する見解を示しています。
その後私は、区民等の公衆衛生を所管する衛生部〈足立保健所）に、喫煙所設置に係る事実経過の照会を行いました（添付資料③）。これに対して、衛生部の健康推進課長は、区民部が喫煙所を設置するにあたり、受動喫煙の防止方など専門的な事項の照会が事前にあったかどうかについて「（区民部と衛生部での）事前協議はなかった」と回答しています（添付資料④）。
更に私は、健康開発科学を専門とする産業医の立会いのもと、喫煙所の周辺で大気中の粉じん濃度の測定調査を行いました。すると、東口・西口のいずれも、喫煙所の周辺では他の場所と比べて著しく高い粉じん濃度が検出されました。すなわち、たばこ煙が喫煙所区画外の禁煙区域にまで拡散していることが確認されました（添付資料⑤）。このことは、区民課長が言う「植栽等を設置して…受動喫煙の防止に配慮した」つもりが、実は効果のない子供だましに過ぎないものであったことの、明白な証拠です。
これらのことから、区（区民部）には、喫煙所設置が公衆衛生に関わる事項であるにもかかわらず、受動喫煙の防止方など公衆衛生の専門知識を有する衛生部（保健所）へ事前に参考意見を求めることなく、自らの独断で受動喫煙を防止するうえで欠陥がある喫煙所を設置し、その結果として喫煙所の周辺を通行する多くの区民等に受動喫煙という健康被害を強要する問題を誘発してしまったという、施設管理者として負うべき責任が所在していることが証明されたと、私は考えます。
したがって、もしも区が喫煙所を今後も現状のまま存置するとしたら、それは区民等が喫煙所の周辺で強要され続けている、受動喫煙による健康被害を作為的に放置することであり、公共の福祉を推進するべき区の責務に著しく反するものであることは明白です。
この問題は、喫煙者のマナーで解決できる性質のものではありません。なぜなら、この問題の本質は、区が区民等に対して喫煙所で喫煙するのを公認していることそれ自体が、その周辺での受動喫煙被害を誘発している点にあるからです。
以上の理由から、私は、手続的にも区民等への道義的にも問題があると言わざるを得ない喫煙所の廃止と、喫煙所設置の根拠となっている本条例の関係文言の削除を求めたく、関係する証拠資料を添えて再度陳情いたします。
以 上
（添付資料①②③④⑤省略）
