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家庭用廃食油を区の事業として回収するよう求める陳情

04-18 家庭用廃食油を区の事業として回収するよう求める陳情

受理番号
04-18
受理年月日
令和4年11月29日
付託委員会
産業環境委員会
委員会付託日
令和4年12月21日
議決年月日
令和5年3月23日
議決結果
採択
紹介議員

内容

 家庭用廃食油を区の事業として回収するよう求める陳情

【陳情の趣旨】
 家庭用の廃食油を区の事業として回収することとし、広く区民に周知し拠出し易いよう回収拠点を住区センターや学校などに多く設置するか、もしくは、通常の資源ごみ回収として月1回もしくは2か月に1回程度の頻度で回収するよう求めます。
【陳情の理由】
 ご承知のとおり、昨今の環境悪化問題・資源の有効活用などでCO2削減、SDGsなどの取り組みが急がれています。
 日本はCO2の排出量は世界で5番目に多く、脱炭素化が遅れています。
 最近マスコミで次世代航空燃料「SAF」(持続可能な航空燃料)の原料となる廃食油の活用が取り上げられました。
 SAFは既存のジェット燃料に比べCO2の排出を90%削減できる燃料です。航空業界では脱炭素化の取り組みが急務になっていて、SAFの需要は急速に伸びることが見込まれています。そのため世界的な廃食油の争奪戦が起きているようです。
 これまで事業所から出る廃食油は、肥料・飼料・塗料・石鹸・軽油代替燃料「VDF」(CO2の排出量が少ない)などにリサイクルされてきましたが、SAFは現在主にフィンランドの再生エネルギー大手のネステから輸入しています。
 そこで、三菱地所とプラント大手の日揮ホールディングスが廃食油回収に相互協力をしていく事に合意し、政府も2025年にはSAFの国産化を目標としていて、官民挙げて国産化に向けた取り組みが広まっていると、先日11月18日の読売新聞に取り上げられ、その後テレビでも放送されていました。
 これからさらに廃食油の確保が必要になってきます。
 これまでも、廃食油の回収は進んできていて、飲食店などの事業用の廃食油は90%回収されています。しかし、家庭から出される廃食油は10%程度しか回収されていない状況です。
 家庭の廃食油は、凝固剤で固めてゴミとして出されるか、下水道に生活排水として流されています。
 大さじ一杯の油を排水に流すと、魚が住める環境に戻すためには、3,000ℓのきれいな水が必要と言われています。これはお風呂1杯を300ℓとして、10杯分の水が必要ということになります。
 また、排水で流し積もり積もって固まった油が下水道管を詰まらせることにもなり、下水道のメンテナンスにも費用(税金)が掛かることになります。
 また、凝固剤で固めて燃やして処理しても、地球温暖化の原因となるCO2の発生につながります。
 捨てればゴミの廃食油はリサイクルすることの意味が多々あります。
 遅れていた家庭用の廃食油の収集は地方から取り組みが始まり、中でも京都市は行政で回収し、市の「廃食油燃料化施設」で「バイオディーゼル燃料」に精製し、ゴミ収集車や市バスの燃料として活用されています。今では全国に広まりを見せ、東京23区の内17区(葛飾区 品川区 渋谷区 杉並区 世田谷区 台東区 千代田区 豊島区 練馬区 荒川区 板橋区 大田区 北区 墨田区 中央区 中野区 新宿区)の行政による回収が進められています。
 足立区では取り組み状況を、ホームページで「家庭用廃食油の回収」と検索すると、該当のページは無く「よくある質問」の中で「資源買取り市」が検索されます。そこには、特定のリサイクル業者に「古紙・缶・ペットボトル・廃食油・古布」を区民が本人確認書類を持参し持ち込むと有りました。
 一家庭の廃食油の量は僅かで、遠くのリサイクル業者(8事業者に指定されるも令和4年11月時点の実施事業者は僅か3事業者)に持ち込んでも有料で引き取られる額にもなりません。基本個人の持ち込みになっています。
 しかも、一般区民の感覚では各家庭でリサイクル業者に持ち込むのはハードルが高いと思います。
 何よりも、区民にはリサイクルする利点と、しない場合の問題・損失が、周知なされていないと思います。
 当初廃食油の回収を自分たち(志の区民)で取り組む事を考えましたが、民間で回収するには難問も多く、昨今の気候変動などによる環境問題が深刻になる状況や資源不足の問題などから、区の事業として早急に取り組んでいただきたいと強く感じました。
 そのために広く区民に各種問題を提起し、より多く回収が進むよう広報し促し、資源として出しやすいようにしていただけたらと思います。

会議録

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