アスベストは肺がんや中皮腫など多くの健康被害を及ぼす危険性を有するが、平成18年9月以前に建築された建築物には、耐火性、断熱性、防音性等に優れ、なおかつ安価であるアスベストを含有する建材が多く使用されており、現在、それらの建築物の多くが解体・改修工事の時期を迎えている。
大気汚染防止法等のアスベスト関連法の改正により、一定規模以上の解体・改修工事はアスベスト調査結果を行政機関に報告することが義務付けられたが、建築物所有者の費用負担が大きくなっており、その負担を忌避しようと無届・違法工事が横行すれば、地域住民や建設業従事者の健康被害が懸念される状況になってしまう。
また、アスベスト含有調査や除去等に対する国の補助制度として、住宅・建築物アスベスト改修事業があるが、アスベスト建材の多くが成形材(レベル3)であるにも関わらず、補助対象建材は吹付け材(レベル1)に限定されており、戸建て住宅や小規模ビル等では事実上使用できない制度となっている。
よって、足立区議会は国会及び政府に対し、建設アスベストによる健康被害から国民を守るため、下記の事項について取り組むことを強く求めるものである。
記
1 住宅・建築物アスベスト改修事業の助成対象を、全ての建材に拡大すること。
2 アスベスト飛散防止対策の監視体制及び適正処理等の指導体制を強化するため、地方自治体に対して必要な財政支援を行うこと。
3 アスベスト被害対策を国全体の課題と捉え、国民や事業者に対してアスベストによる健康被害やアスベスト関連法の周知徹底を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和 年 月 日
議 長 名
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣 あ て
厚生労働大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣