区は、令和元年に改定した足立区総合交通計画において、区の取り巻く交通環境を「行政、事業者、区民が一体となって、高齢者をはじめとする多様な人々の移動実態に即した交通環境を整えるとともに、交通手段を持続的に確保していくことが求められている」と明記している。
令和3年、特に交通不便の課題がある花畑周辺地域において社会実験バス(ブンブン号)を運行開始したが、本格運行に移行するために区が設定した収支率24%を達成できず、事業は終了した。交通不便地域であるにもかかわらず他の手段での解決を試みていないのは遺憾である。
バス路線の廃止・減便等が続くなか、今年度からは地域内交通導入サポート制度や入谷・鹿浜地区におけるデマンドタクシー実証実験(足タク)を開始したが、交通手段に困難を抱える区民は未だ多く存在する。そのため、特に課題の解決が必要とされる地域には、区民の安全を考慮しながら、交通不便解消のための施策を迅速に推進する必要がある。
よって、足立区議会は、すべての区民の交通手段を保障するため、下記について一刻も早く取り組むことを強く求めるものである。
記
1 交通不便を解消すべき地域を定め、各地域の課題を解決するために継続した施策を計画・実行すること。
2 収支率など事業採算性の達成度のみを社会実験から本格運行への移行のための判断材料としないこと。
3 高齢者や障がい者、妊産婦等、移動に困難を抱える区民に対しても、福祉的観点で安全に移動ができるような施策を実現すること。
以上、決議する。
令和 年 月 日
足 立 区 議 会