現在、急速な高齢化に比例し、難聴者も急増している。難聴は認知症の危険因子の一つと言われており、人や社会とのコミュニケーションを避けるようになることから、社会的孤立に陥る可能性も懸念されている。
聞こえを補う医療機器である補聴器は、「気導補聴器」と「骨導補聴器」が一般的に使用されてきたが、「軟骨伝導」等の新しい技術を用いた補聴器が開発され、従来の補聴器では十分な補聴効果が得られない人や、装用そのものが難しい人に対しての新たな選択肢となった。
しかし、聞こえの支援を必要とする人に、自身の状態に合う補聴器の情報や各自治体による購入補助制度が十分に伝わっていないことが多く、社会参画を妨げる一因となっている。
今後の更なる高齢化を見据えた認知症の予防と共に、高齢者の積極的な社会参画を実現するために、補聴器だけではなくヒアリングループや音声認識ソフト等も含めた聴覚補助機器の積極的な活用を促進する必要がある。
よって、足立区議会は国会及び政府に対して、下記の事項について積極的に取り組むことを求めるものである。
記
1 難聴に悩む人が、医師や専門家の助言のもとで、自分に合った補聴器を選択することができる環境を整えること。
2 行政機関の窓口等へ聴覚補助機器を配備するよう推進すること。
3 地域の社会福祉協議会や福祉施設との連携のもと、聞こえの支援を必要とする人への情報提供の機会創出等、聴覚補助機器を普及させるための環境を整えること。
4 地方自治体が取り組む聞こえの支援に対して、財政的な支援等を講ずること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
令和 年 月 日
議 長 名
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣 あ て
財務大臣
厚生労働大臣
共生社会担当大臣