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無年金定住外国人高齢者・障がい者に対する福祉特別手当に関する陳情

21-6 無年金定住外国人高齢者・障がい者に対する福祉特別手当に関する陳情

受理番号
21-6
受理年月日
平成21年9月14日
付託委員会
区民委員会
委員会付託日
平成21年9月30日
議決年月日
平成22年3月24日
議決結果
採択
紹介議員

内容

 無年金定住外国人高齢者・障がい者に対する福祉特別手当に関する陳情

 日頃、地方自治の発展と地域住民の幸福と繁栄の為にご尽力されている貴下に心より敬意を表します。
 国境、国籍を越えた国際社会における人権擁護と社会保障が尊重される現在、当足立区内においても、在日韓国人をはじめとした定住外国人が多数居住しております。
 特に在日韓国人は特殊な歴史的経緯によって、足立の地に長く住むに至った足立区民であります。
 この間、私達は納税などの義務を果たすと共に、足立区の発展に貢献しながら、足立区の未来に対して大きな夢を託して来ました。
 しかしながら、私達在日韓国人をはじめとした定住外国人に対する行政からの対応は、以前より前向きになったとはいえ、まだまだ充分とは言い難いのが現実でないかと存じます。
 無年金定住外国人は、今年、高齢者は少なくとも83歳以上であり、障がい者は47歳以上になっています。
 この問題は国の所管事項でありますので、この問題が改正されるよう要請の程宜しくお願い致しながら、在日韓国人をはじめとする定住外国人に対し、高齢者福祉、障がい者福祉の一環として「国民年金法」の改正までの暫定処置として特別給付金等の支給に関して下記のように実施されることをお願い申し上げます。
                  記
【陳情項目】
●無年金高齢者・障がい者定住外国人に対する福祉特別手当に関して
 1986年4月1日の時点で、60歳を超えていたという理由で、老齢福祉年金(86年から老齢基礎年金に変更)の受給が認められていない無年金高齢者定住外国人と1982年1月1日の時点で、20歳を超えていたという理由で障害福祉年金の受給が認められていない無年金障がい者定住外国人に対して、国民年金法の抜本的改正が実現されるまでの間、足立区独自の特別給付金制度を実施されるよう陳情致します。

【理由】
 日本政府は難民条約批准に伴う国内法整備の必要を迫られたことから、1982年1月1日、加入資格が日本国民に限られた「国民年金法」を改正しました。その結果、国籍条項が撤廃され、定住外国人にも国民年金加入の道が開けました。ところが、25年間の支払期間を満たせないという理由で、当時35歳を超えていた方を老齢基礎年金から取り除く(当時の受給は60歳からだったことによる)理不尽な対応を執りました。
 その後、1986年の改定により、老齢基礎年金に関しては、いわゆるカラ期間(資格期間とは見なすが、年金支給額の計算には入れない期間)が導入され、1982年当時に排除された方々が、一部救済されました。とは言え、1986年改定時点で、当時60歳を超えていた方々は、物理的に加入期間が全くないことを理由に除かれた上、日本人同等に税負担をしているにも拘らず、同様のケースの日本人高齢者なら受給できた高齢者福祉年金(全額国庫負担)の受給も一切認められませんでした。
 2005年4月から施行されている「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」(特別障害給付金支給法)も、救済対象から定住外国人無年金障がい者を除いています。定住外国人無年金障がい者については、同法の「附則」で、今後検討が加えられ、必要があると認められる時は、その結果に基づいて所用の措置が講じられるものとすると明記しています。国会は2004年12月、同法採択に際し「附帯決議」で、「無年金障害者の生活を支える家族の高齢化等の実情」を踏まえ、定住外国人無年金者等に対する救済措置について「早急に検討を開始する」ことを、政府に求めています。しかし救済措置は、まだ検討すらなされていません。
 1961年の「国民年金法」施行時、年齢的に25年間の加入期間を満たせなかった方々には、10年間の短縮年金などが認められましたし、1972年の沖縄本土復帰の際には、制度が施行できなかった約10年間を保険料免除期間とするなど、日本人に関しては充分な経過措置がとられてきました。ところが、国籍要件から居住要件に改定した1982年には、日本人に対して取られた様々な経過措置が全く適用されなかった為に、無年金高齢者・障がい者定住外国人が生まれるに至りました。
 一方、現状を踏まえ日本全国で700以上の地方自治体が、地域住民であるこれら無年金定住外国人に対して、独自の福祉手当「高齢者特別給付金」「障害者特別給付金」を支給しています。
 現在、東京都内でも12区で独自の福祉手当「高齢者特別給付金」「障害者特別給付金」を支給しています。
 こうした「高齢者・障害者特別給付金」は、地域住民である定住外国人が、健康で文化的な生活が営めるよう配慮した、地方自治体の自主的な取り組みとして高く評価できます。また、無年金定住外国人の介護保険料の負担を減らすために、「高齢者特別給付金」の増額に踏みきった自治体もあります。
 ところで、2000年4月1日から施行されている「介護保険」制度におきまして、65歳以上の高齢者は受給中の老齢年金から、介護保険料を自動的に天引きされるシステムとなっています。ところが、上記の背景により、無年金者となった定住外国人の場合は、天引きそのものが成り立ちません。定住外国人高齢者・障がい者の多くは、少しばかりの仕送りやわずかな貯金を切り崩して生活をなさっている方です。このように厳しい状況の中で生活している無年金高齢者定住外国人に、これまでの労苦を思い、少しでも豊かな老後を保証する取り組みの強化が何より必要です。
 21世紀は平和と人権の世紀と言われています。「豊かな住みやすい町づくり」は、地方自治体としての課題であり、福祉行政はその中核をなすものと考えます。日本籍住民と外国籍住民のわけ隔たりのない行政サービスがこれからの地方自治体に求められていると存じます。
 私たちの切なる陳情とその理由をご理解頂き、地域での「共生社会」に向けた積極的な取り組みを切実にお願いする次第です。
                                  以上

会議録

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