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給食の放射性物質検査等を求める陳情

25-7 給食の放射性物質検査等を求める陳情

受理番号
25-7
受理年月日
平成25年3月1日
付託委員会
災害・オウム対策調査特別委員会
委員会付託日
平成25年3月27日
議決年月日
議決結果
審議未了
紹介議員

内容

 給食の放射性物質検査等を求める陳情

【陳情趣旨】
1. 給食の食材の定期的な放射性物質検査をしてください。
2. 使用する検査機器は、放射性セシウムの検出限界が1㏃(1s当たり)前後の高精度の機器を採用してください。
3. 給食に提供する前に食材の検査を行い、児童が内部被ばくする危険性を最小限にしてください。
4. 放射性物質に汚染された地域の食材は、給食に使わないでください。
 以上の4項目です。足立区で暮らす子どもたちの内部被ばくを防ぐと共に、放射性物質による汚染を気にせずに安心して食べられる学校給食に改善していただけますよう、お願い申し上げます。
【陳情理由】
 「学校給食の放射能測定につきましては、ホームページにも掲載しているとおり本年(2012年)1月に実施し、安全性は確認しております」との回答を、昨年(2012年)12月13日付で足立区教育委員会学校教育部学務課長からいただきました。しかし、東京都内では品川区(保育園)の牛乳から放射性物質が検出されたほか、東京以外の自治体では、千葉市の給食の食材(千葉県産のニンジン・豚肉・サツマイモ、群馬県産のキャベツ、長野県産のシメジ・エノキダケなど)、川崎市の給食の「りんご缶詰」(山形県産)から、放射性物質検出の報告が続いています。横浜市でも「冷凍いわし」から放射性セシウムが24㏃/s検出され、給食への使用を中止しました。
 また、福島県内の小中学校では、給食から相次いで放射性物質が検出されていますが、検出された場合、経口で摂取した場合の実効線量として、その給食を1日3回365日食べたと仮定して算出し、記載しています。その検出下限値も1㏃/s以下です。各地で給食の放射性物質検査への取り組みが拡充される中、足立区が継続的な給食の放射性物質検査を行わないことは、近藤弥生区長をはじめ、足立区教育委員会学校教育部学務課長ら関係部署の区職員が、児童の生命や健康を守ることを著しく軽視していると、区民や保護者、国民に受け取られる可能性があります。私自身、同じ足立区民として、こうした考えが広がり、足立区のイメージを損なうのは本意ではありません。
 いずれの自治体でも継続的、複数回の検査によって発見されているもので、1回だけの検査で安全性を確認したとの足立区教育委員会学校教育部学務課長の主張は説得力を持っていないことは明白です。しかも昨年1月に行われた足立区の検査は、暫定基準値(1s当たり500㏃)の適用期間内に行われたもので、昨年4月からの新基準値(1s当たり100㏃)になってからは、1回も検査が行われていません。
 放射性物質によって健康を害する確率が高まることは、これまでの研究で科学的に有意なデータが示されています。足立区内にはホットスポットと呼ばれる地域が多数存在し、東京都内でも最も汚染されている地域の1つになってしまいました。そのような状況の中、児童や保護者側に産地や食材について選択の余地はありません。足立区民の生命を守るために全力を挙げて職務の遂行に励むことが、近藤弥生区長や区職員に求められます。安全性の確認が不十分な学校給食を児童に提供し続けていることは、近藤弥生区長が、児童の生命に対する安全・安心を軽視していると捉えられる可能性があるだけでなく、区職員にあっては、地方公務員法第30条の職務専念義務などに抵触すると指摘される恐れもあります。
 「現在は、各都道府県における農産物や水産物の検査体制が確立しており、放射性物質の基準値を超えた食品は出荷制限されているため、状況に変化がない限り、当区が独自に検査を行う予定はありません」と足立区教育委員会学校教育部学務課長は、上記の回答の中で主張されています。しかし、足立区の学校給食の食材として頻繁に使われている茨城県内の農作物の中には、学校給食で使用予定だった地元の茨城県産の食材から放射性物質が検出され、国の基準値以下であったにも関わらず、子どもたちの健康や保護者の不安に配慮して、給食への使用を取りやめたケースもあります。
 茨城県小美玉市の学校給食課では、測定システムを導入し、翌日の学校給食に使用する食材の中から3〜4種類を選定し、放射性物質の測定を行っています。同市は、「給食センターでは、子どもたちの健康と保護者の放射性物質への不安に対する配慮として、給食食材として使用する判断基準を『不検出であること』といたしております」とホームページで宣言しています。また、給食の食材の安全性については、放射性物質の「不検出」を判断基準にし、昨年11月28日に地元の小美玉市産のレンコンから、放射性セシウムが1s当たり24㏃検出された際は、給食への使用を中止しました。
 一方で、足立区では、食材から同程度のセシウムが検出されても、「安全」と判断し、学校給食に使用する疑念が拭えません。足立区教育委員会学校教育部学務課長からは、「小美玉市のホームページで確認したところ測定結果は24㏃/sと国の基準値100㏃/sを下回っております。他の地域でも独自検査により放射性物質は検出されておりますが、いずれも国の基準値以下であると聞いております。国の基準値を超えた食材は流通していないことから足立区の学校給食の食材は安全であると判断しております」(2013年1月31日付の回答から抜粋)との答えをいただいております。この回答は、小美玉市では「安全ではない」との判断で給食への使用が中止された野菜が、足立区では「食材は安全」として給食に使われることを示唆していると受け止められかねません。
 神奈川県内で昨年、学校給食で使う神奈川県産の冷凍ミカンから放射性物質が検出されました。しかし、横浜市は、足立区教育委員会学校教育部学務課長の考えとは正反対と言っても過言ではない対応を取りました。「子どもへの配慮を最優先に考え、献立変更などが可能なものは他の食材に変更してきた。今後も同様に考え対応していく」として、国の示す基準値以下であっても、放射性物質が検出された場合は、児童や保護者の不安に配慮して、基本的に食材を変更する考えを示しています。
 最近は検査精度向上も目覚しく、千葉市や武蔵野市などのように、検出限界が1s当たり1㏃前後で公表している自治体が数多く見受けられます(足立区の昨年1月に実施した検査の検出下限値は、約10倍精度が劣る10㏃/s)。児童の内部被ばくを最小限に抑えるため、足立区においても給食食材の放射性物質測定機器を導入することはもちろんのこと、検出限界も同様に1㏃前後を基準とし、事前に食材の検査を行う必要があります。検査機器があれば、食材から放射性物質が検出された場合、以後は汚染された食材の産地からの購入を控えるなどの対策がとれます。
 今年に入ってからも、茨城県内のシイタケで47㏃、魚介類ではスズキで出荷制限指示(100㏃)を上回る120㏃を検出。米では昨年9月に茨城県鉾田市で44㏃が検出されています(いずれも1s当たり)。このように足立区の給食で提供される頻度の高い関東地方の農作物の汚染は、基準値以下とはいえ50㏃/s近く検出されるケースもあり、まだまだ予断を許さない状況です。いくら国が基準値以下としようとも、東北地方や関東地方の農作物や水産物の一部が東京電力福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質によって汚染されている状況は隠しようがありません。給食に使う全ての食材ごとの検査が物理的に不可能であるならば、こうした放射性物質に汚染された関東地方や東北地方の農作物や水産物を給食の食材から避けることが児童の内部被ばくを防ぐための重要な手段の一つであることは間違いありません。
 足立区はこれまで、一流シェフを学校に招くといった庶民感覚とはかけ離れた多額の公費を支出して「全国一おいしい給食」を推進してきました。こうした一流シェフを雇う多額の予算があれば、児童の安全・安心や健康被害を防ぐ観点から、給食の放射性物質検査に予算を投じることも可能ではないでしょうか。今後、一時的なパフォーマンスに走ることなく、地道に児童の健康問題や保護者の不安を払拭することに取り組まなければ、「全国一“まずい”給食」になりかねません。
 足立区民憲章には、「おもいやりと感謝の心で明るいまちをつくりましょう」と明記されています。給食の放射性物質の検査を通して、児童や保護者の内部被ばくを防ぎ、健康に関する不安を取り除くことは、区民憲章が掲げる「おもいやり」につながるはずです。区民憲章を遵守し、1日も早く給食の食材の放射性物質検査を継続的に実施し、給食の放射性物質汚染への不安の払拭を図ることで、区民憲章が掲げる「明るいまち」を実現できる日が来ることを、心から願っています。
(添付資料省略)

会議録

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