- 受理番号
- 27-38
- 受理年月日
- 平成27年9月11日
- 付託委員会
- 総務委員会
- 委員会付託日
- 平成27年9月29日
- 議決年月日
- 平成27年10月23日
- 議決結果
- 不採択
- 紹介議員
- 土屋のりこ
内容
国にマイナンバー制度の中止を要望する意見書の提出を求めるとともに、足立区として個人情報保護や住民の知られたくない権利の保証に万全を期すことを求める請願
【請願の趣旨】
国にマイナンバー制度の中止を求め、また、中止されるまでの運用においては、個人情報保護や住民の知られたくない権利(プライバシー権)の保証に万全を期してください。
【理由】
マイナンバー制度は「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づく「社会保障・税番号制度」として今年10月から施行されますが、様々な問題点があります。
まず、従来地方自治体が管理していた個人情報を、国家が一元管理することが違憲です。住基ネットの最高裁判例において、複数のデータをつき合わせ照合するデータマッチングは人格権侵害とされています。
次に、警察・公安の捜査に特定個人情報(個人番号のついた個人情報)が提供されるため、公安機関が個人情報の名寄せ・データベースを作成できるようになります。自由な市民活動を弾圧する市民監視装置となる危険性があります。
第三に、情報漏えいやなりすまし犯罪の危険性も高まります。日本年金機構の情報漏えい事件が示すように、セキュリティに万全はなく情報漏えいは起きます。ましてや、マイナンバーは大企業から中小企業まで日本全国385万社が取り扱うため、情報漏えいが起きないと想定する方が困難です。政府自身も「セキュリティの面では一段落ちる危険性がある」と答弁しています。また、カードの偽造やマイナポータル(インターネットサイト)などでのなりすましも懸念されます。マイナンバーの利用範囲は当初、税と社会保障、災害関連に限定されていましたが、今年9月3日に成立した改正法により、預金口座番号との連結や、メタボ健診・予防接種の記録管理にも拡大されることとなり、リスクが一層高まっています。番号制度先進国の米国では、年間900万件を超えるなりすまし被害が発生しています。
第四に、情報連携で提供される情報により、ドメスティック・バイオレンス(DV)の被害や差別的取り扱いなどの不利益が予想されても、本人や自治体には情報提供の拒否権や選択権が認められていません。法の範囲内で情報提供がなされたとしても、本人の意に反した情報利用により、不当な扱いを受ける危険性があります。
第五に、多額の費用がかかり、税金がつぎ込まれます。政府の初期投資で2千億円から4千億円、その後の毎年の保守運営経費が数百億円見込まれるほか、足立区を含む全国1741自治体すべてにおいてシステム改修が必要となり、IT業界では3兆円ビジネスとも言われています。
これら多くの問題を抱えるマイナンバー制度を中止するよう国に意見書の提出を要望してください。
また、施行後も中止されるまでの間、国への法改正の要望も含め、個人情報保護や住民の知られたくない権利(プライバシー権)の保証に万全を期してください。具体的には、警察等公安機関への情報提供の規制、中間サーバーや個人番号カードの発行を共同化・委託化せず区の責任で執行、不利益扱いが予想される情報提供を拒否できる制度の確立、個人情報保護やプライバシー権保証を強化する措置を講じてください。
会議録