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情緒障がい等通級指導学級での指導の存続と情緒障がい児教育の充実・発展を求める陳情

27-44 情緒障がい等通級指導学級での指導の存続と情緒障がい児教育の充実・発展を求める陳情

受理番号
27-44
受理年月日
平成27年9月2日
付託委員会
文教委員会
委員会付託日
平成27年9月29日
議決年月日
平成30年3月27日
議決結果
撤回承認
紹介議員

内容

 情緒障がい等通級指導学級での指導の存続と情緒障がい児教育の充実・発展を求める陳情

【陳情内容】
1.足立区で「特別支援教室事業」を実施するにあたり、これまで情緒がい等通級指導学級で指導効果を上げてきた小集団指導をはじめとする通級学級での指導が引き続き行えるようにして下さい。
2.特別な支援が必要な児童生徒の指導について、一律に在籍校の「特別支援教室」で行うことなく、児童生徒の状態や保護者、在籍校の教員の意見を踏まえて、通級での指導か、支援教室での指導かを選択的に決定できるようにして下さい。
3.平成28年度から3カ年かけての導入に際しては、拙速に進めることなく、現在の通級指導学級の実態や教職員、保護者の意見を取り入れて、指導体制及び教室環境整備、指導方法や内容などについて慎重に検討を進めて下さい。
4.「特別支援教室」に巡回指導を行いながら、拠点校の情緒通級学級で指導が行えるように、非常勤教員(定数外)または教員免許を有する指導員を、区独自で最低1名以上配置するようにして下さい。
【陳情趣旨】
 東京都特別支援教育推進第三次実施計画では、現在ある情緒障がい等通級指導学級(以下、情緒通級学級)に変わり、全ての小学校に「特別支援教室」を設置し、巡回指導教員が各校を巡回して発達障がいの程度に応じて、個別指導の中で自立活動や教科補充の指導を行うことが明示されています。
 今回示された制度で「特別支援教室」が実施された場合、これまでの通級制度の中で、保護者や児童、生徒、関係教職員の要望に添いながら高め、大きな成果を上げてきた情緒通級学級の教育条件、教育内容が大きく後退していくことは明らかです。
 通級指導学級では、通級児童の特性を十分考慮しながらグループを作り、計画的に作られた小集団の中でコミュニケーションの力を培い、通常学級の大きな集団に入ったときでも生かせる会話のスキルや行動について学ぶことができました。本来児童は、適切な指導・支援のもとで学びながら、いろいろな経験を積み重ねて成長していく面と、「子どもは子どもの中で変わっていく」と言われるように、「子ども同士の学び合い」のなかで成長していく面があります。そのような視点から考えても、個別指導を主として行う「特別支援教室」では、児童生徒同士の関わり合いから生じた出来事を通じて学ぶ機会が無くなり、指導の効果が大きく後退することは間違いありません。また、教室環境や教材の不備、経験ある教員を中心とした複数での指導体制がとれなくなることからも、児童の特性に応じた小集団での学習が保障できなくなることが危惧されます。
 そして、通級学級だから安心して自分を表出し、苦しさや辛さを時間をかけて語れるようになった児童生徒の心の拠り所がなくなり、さらなる不適応状態へ追い込まれていく事態が必ず起こると考えられます。
 現在足立区には、小学校3校、中学校2校の情緒通級学級が設置されており、どの学級でも発達障がいをもつ児童・生徒に応じた個別指導・小集団活動が丁寧に行われています。通級する児童・生徒自身だけでなく、保護者や在籍校の担任からも「通級だから安心して学べた。」「自信をもって活動に参加できるようになった。」「コミュニケーションがとれるようになり友達ができた。」という声が寄せられ、大きな教育成果が認められています。しかし現在の情緒通級学級がなくなり、在籍校での「支援教室」に変わってしまうことで、「小集団での指導が受けられないのではコミュニケーションの向上は期待できない」「周りの目が気になり在籍校では通えない」「複数の先生に見守られていたから安心して過ごせた。個別指導だけでは子どもや保護者のニーズには応えきれない」と「支援教室」への変化を心配する多くの声が情緒通級学級の担任に届いています。
 また、情緒通級学級には不登校傾向に陥っている児童・生徒も多数通ってきています。それらの児童生徒には、在籍校に登校すること自体が困難になっているという実情があり、たとえ自校に「支援教室」が開かれたとしても、支援を受ける機会を奪われるということになります。それは「個に応じた支援を行う」という特別支援教育の理念からも大きく逸れることであり、さらなる矛盾を生み出すことになります。
 これらのことを踏まえ、現在行われている情緒通級学級での指導について存続するとともに、今後さらに情緒障がい教育の充実と発展を進めていただけるよう要請いたします。

会議録

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